ひよこらぼ

自作のTSF小説(変身・憑依・入れ替わり等によって性転換する小説)を掲載していく予定です。

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ハンカチ落とし

 あれはたしか夕方の5時くらいだろうか。閑静な住宅街にある公園に俺はいた。

「会社に戻りたくねえな……。また上司に嫌みを言われるんだろうな」
 俺の仕事は外回りの営業。消費が落ち込んでいる昨今、契約を取ることが難しい。1日中廻って今日も1件もとることができなかった。俺はベンチに座って途方に暮れていた。
 周りを見渡すと、夕方の公園ということもあって、サッカーをしている子供、学校帰りの学生、買い物中の親子、そして俺と同じように仕事をさぼってるサラリーマンなどいろんな人が公園にいた。





 そんな中、公園の中心に一人の男の子が立ち、大きな声でこう叫んだ。
「みんなー、ハンカチ落とししようよー」
 その声は不思議と俺の心の中に浸透してきて、この男の子と遊ぼうという気になってくる。俺はふらふらとその男の子のそばに寄っていった。
 同じ気持ちを抱いたのは俺だけではなく、いつの間にか公園にいる全員が男の子の周りに集まっていた。その数は15人くらいだろうか。

「みんな、ありがとー。じゃあ遊ぼうか!」
 ハンカチ落としに特別なルールもない。輪になって座っている誰かの後ろに、鬼がハンカチを落とし、落とされた人はハンカチを持って鬼を追いかける。鬼は輪を一周まわってハンカチを落とした人の場所に座れば鬼が落とされた人に交代するというものだ。
 集まったみんなが輪になり内側を向いて座った。
「じゃあ君が鬼ね」
 男子高校生に男の子がハンカチを渡す。するとハンカチを受け取った男子高生の体に異変が起こった。ハンカチを持った半透明な男子高生の姿が体から出てくる。そして体の方はそのまま意識を失ってその場に倒れた。しかし俺を含めて、そのことを不思議に思う人はいなかった。
「よいしょ、よいしょ」
 男の子は意識のない男子高生の体を引っ張り輪の外に移動させた。そしてベンチに座ると――
「ハンカチ落とし、スタート!」
 と大きな声をあげた。


 その声を聞くと同時に半透明な姿の男子高生は輪の中を廻りだした。そして、何周か廻ると、女子大生ぽい女性の背中にハンカチを落とす。女性はハンカチが落とされたことに気がつくと、ハンカチを拾う。すると先ほどの男子高生と同じように女性の体から半透明の女性が出てくる。そして女性の体はその場に座ったままだった。
ハンカチを持った半透明の女性は男子高生を追いかける。しかし追いつくことができず、男子高生は1周廻って女性の座っていた場所に着くと、女性の体のいる場所へ重なるように座った。すると半透明の男子高生は女性の体に吸い込まれ、見えなくなってしまった。そして女性の体が動き出した。
 動き出した女性はまるで男のようにあぐらをかき、スカートの中が丸見えになっていた。一方半透明の女性はそのことに気にもせず、ハンカチを持って輪を廻っていた。
 
 その後もハンカチ落としは続く。ハンカチを落とされるとその中から半透明の体が飛び出し、ハンカチを落とした人は1周廻ってその落とした人の体の中に入るのだ。誰もそれをおかしいと感じる人がいない。俺もそれが当たり前だと思っている。
 女性はおじいさんにハンカチを落とし、そのおじいさんは女子高生にハンカチを落とす。その女子高生は男の子に。
 ハンカチ落としが進むうちに2回落とされる人も出てくる。女子大生にハンカチが落とされると、その中から出てきたのは最初鬼だった男子高生だった。

 そして俺の後ろにもついにハンカチが落とされた。俺はハンカチを拾うと、体が浮いた感覚に陥る。しかしそんなことは気にせず、逃げている鬼を捕まえようと必死に走る。しかし捕まえられることができずに鬼になってしまった。鬼は俺の体の中に入っていった。
 鬼となった俺は、誰に落とせばいいか考えていた。落とすなら足の遅い老人か子供か。何周か廻って落としたのは6歳くらいの小さな女の子だった。
 我ながら卑怯だと思ったが、ハンカチを落とされた女の子は落とされたのがうれしいのか、きゃっきゃっとはしゃぎながら俺を追いかけてきた。しかし女の子の足では追いつくこともなく。俺は女の子の体に重なるように座った。鬼となった女の子は自分の母親にハンカチを落としていた。

 永遠に続くかと思われたハンカチ落としだったが、鬼となったOLが逃げる際、ハイヒールでつまづき、鬼に追いつかれてしまった。
「終了でーす!」
 ずっとベンチで見ていた男の子が声を上げる。するとハンカチを落とした鬼はOLの体に、OLは男の子の近く意識を失っている男子高生の中に入っていった。
「みんな、遊んでくれてありがとう!それじゃあね」
 そういうと男の子はその場から消え去った。


 男の子が消えた後、ハンカチ落としをしていた人に異変が起こる。
「あれ、わたし、何でこんな格好を……」
「む、胸が、ど、どうなってんだ?」
「あれぇ、あたし、大きくなっちゃった」
「わ、わしが、スカートをはいておる?」

 みんな言動がおかしい。まるで自分の体が自分のものでは無いみたいに振る舞っている。
「ちょっと、私の体で変なことしないで」
「そんなこと言われてものう…、乳が、短いスカートが気になっての」
 男の子が女子高生に向かって叫んでいる。女子高生はスカートを捲りあげたり、胸を触ったり、自分の体に興味心身だ。

「男の体…、大きい、力強い…」
 男子高生が腕立て伏せをしたり、腹筋をしている。
「恥ずかしいからやめてくれよ」
 若い女性がそれを阻止しようとするが
「いいじゃない、別に」
 力ではねのけられてしまう。

 俺も自分の体の異変に気づいた。世界が大きく見えるのだ。自分の体が縮んでいると気づいたのは、自分がかわいいワンピースを着ていたからだ。
「何だ、この服…、それにこの声」
 自分とはまるで違う幼い声。そして小さな手、長い髪。股に手をやると、そこにはそこには何もなかった。
「な、なんだこりゃ?」
 俺はハンカチを落とした6歳くらいの小さな女の子になっていた。

「あれ、何でわたしがいるの?」
 30歳くらいの女性が俺を見下ろしてそう言った。
「あれ、わたし、大きくなった?あれ、ママが着ていた服?」
 女性は自分の姿を見ている。


「もうガマンできない!」
 女子大生が服を脱ぎ自分の胸をもみだした。
「ん…ああん……」
 気持ちよさそうな声をあげる。
「私の体…、あんなに乱れて……」
 男子高校生がふらふらと女子大生に近づく。
「ああん……、ん?何だ?」
 女子大生が男子高生に気がつく
「ガマンできない……。私の体…」
「ちょ、ちょっと待てよ」
 男子高生が女子大生を押し倒す。
「あ、ああん、ひゃああん」
「私の気持ちいいところ、全部知ってるんだからね」
 男子高生の愛撫に、さらに声をあげる女子大生。

「俺の体が……、女の人と…」
 遠くから女性が真っ赤な顔でその行為を見ていた。

 女子大生の痴態が発端となり、公園はパニックになっていた。服を脱ぎ自慰を始める女子高生。自分の体に興味津々な男の子。泣いて痴態止めようとするサラリーマン。女性同士で絡み合う人もいた。
 騒ぎを聞きつけて警察がやってくるまでそれは続いていた。





 
「……と、まあこれが10年前の、集団発狂事件の真実ってわけ」
 目の前の女子高生がパフェを食べながら話す。
「そんな話、信じられないんだが……」
「一応、あたしもその場にいた当事者なんだけど。だからあたしに取材してきたんでしょ」
 
 そう、俺は雑誌記者。今、10年前に一時マスコミを騒がせた集団発狂事件の取材をしている。公園にいた人が皆おかしな言動を繰り返し、中には暴れる人もいたそうだ。当時は何か麻薬や毒がまき散らされたのではないかと色々推測されたが、結局原因が分からず、いつの間にか事件は風化していった。
 しかし俺の仕事は別に真実を追求する訳ではなく、昔の怪事件をおもしろおかしく記事にして、大衆雑誌に載せるだけだ。昔は俺もジャーナリズムに燃えていたのだが、同僚や後輩に差をつけられ、いつの間にかこんな仕事しかもらえない三流記者になっていた。
 まあそんなことでも仕事は仕事。俺は事件の当事者でもある女の子に取材をお願いしたのだ。
 待ち合わせのファミレスに現れたのは、制服姿のどこにでもいるような、いや結構かわいい女子高生だった。10年も立てば女の子も成長するだろう。俺は役得と感じながら女子高生に取材を行った。まあ事件のことは軽く終わらして、後はずっとおしゃべりでもと下心を持ちながら。
 しかし、その女子高生の口から聞かされたのは、ぶっとんだ内容だったのだ。


「本当なのか。大人をからかうもんじゃないよ」
 さすがにこんなこと、記事にもならない。どこぞのエロ雑誌のコラムになら載せられるかもしれないが。
「……いや、別に信じないなら信じなくてもいいぞ」
 突然女子高生の話し方が変わった。
「10年間苦労したんだ。今更蒸し返されてもな。まあ俺は良いほうだけどな。小さな女の子ってことで、交友関係や立場のことをあまり考えなくてよかったからな」
「じゃあ、さっきの話は本当に?」
 あまりの豹変ぶりに、俺はうろたえた。
「そう言ってるだろ。ハンカチ落としで魂が入れ替わったんだよ。俺は良いほうだって言ったけど、母親の体に入ったこの子はひどいもんだったぞ。幼児退行とか適当に病名をつけられ、催眠療法とか洗脳まがいなことをされて、自分は母親だと思いこまされてたな。今では立派な私のママになっているがな」
 女子高生は自分を指さして"この子と"まるで他人のように話す。
「ほ、他の人はどうなったんだ」
「女子大生になった男は、女の快感にはまったのか風俗デビューしてたな。今は結婚してるんじゃないかな。男子高生になった女は何故か体を鍛えてボディービルダーになってたな。女子高生になったじいさんは、援助交際にはまってたけど元の体の女子高生にちくられて退学になってたな。AVデビューしてるそうだが、よくわからない。未成年の俺じゃまだ見ることが出来ないしな」
 女子高生の口から、すごい言葉が出てくる。こちらが恥ずかしくなってくるぐらいだ。
 
 しかし、本当にそんなことが。目の前のかわいい女子高生の中身が男だなんて。
「……で、男の子の目的はよくわからん。体を入れ替えるのを見る愉快犯だったのかもしれないがな」
「ありがとう、もういいよ」
 一通り話を聞き、俺は話を終わらせた。
「そう? じゃあ取材は終わり?」
 一転して話し方が元に戻る
「ああ、協力ありがとう」
「じゃあ、約束の取材費ちょうだい!」
「あ、ああ」
 俺は取材の協力として、2万を手渡す。
「やったあ、これでやっと欲しかったバッグが買える~!」
 現金を手にすると、目を輝かせる。そして俺の方を向いてにやつく。
「女の子は結構お金がいるんだよ。おこづかいじゃ足りないから。あっ、女子高生って立場を利用して援助交際してもいいけど……」
 そう言って俺に体をすり寄せてくる。
「お、おい……」
「なーんて、うそうそ。あたし、退学になりたくないしね。私、成績優秀で真面目な女子高生なんだから」
「からかうなよ……」
「ちょっと私に興味持ってたでしょ。あなたも女の子になってみたかった?人生やり直せて楽しいよ。お・じ・さ・ん?」
 そう言うと、女子高生はファミレスから立ち去った。




「おじさんって……、あの子の言ってる話が本当なら、俺よりずっと年上じゃないか」
 ファミレスで支払いを終えると、俺は今日のことをどのように記事にするか考えていた。
「そのまま記事にしても、編集長に怒られるだけだよな」
 俺は公園のベンチで途方に暮れていた。

 と、そのとき、公園の真ん中で男の子が大きな声でさけんだ。
「みんなー、ハンカチ落とししようよー」
その声は俺の心に響く。ハンカチ落としをしなければいけないという気にさせる。

「知っている。俺はこれを知っている」
(女の子になってみたかった?人生やり直せて楽しいよ)
 ふと女子高生の言葉が思い出される。これからも3流記事を書いている人生。楽しくやり直せるかもしれない。
 周りを見るといろんな女性がいる。
 俺は不適な笑みを浮かべていた。


終わり





お久しぶりです。
ほぼ一年の間、お待たせしてすみませんでした……。
完全復活とはいかないのですが、少しずつ更新できたらと思います。

更新していない間、
拍手やコメントで励ましや心配の言葉をいただきありがとうございました。
とても励みになりました。

これからもひよこらぼをよろしくお願いします。
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コメント

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  • 2013/04/21(日) 19:29:42 |
  • |
  • #
  • [編集]

よかった!おかえりなせい~

  • 2013/04/21(日) 22:07:05 |
  • URL |
  • チラ #-
  • [編集]

復活ありがとうございます
逆転の続きが気になって死にそうでした笑、続きかくときはぜひ逆転をお願いします笑

  • 2013/04/22(月) 01:10:28 |
  • URL |
  • ファン #-
  • [編集]

とんでもねえ、待ってたんだ

  • 2013/04/22(月) 13:53:37 |
  • URL |
  • bishop #mQop/nM.
  • [編集]

>非公開コメントさん
ありがとうございます。
カメラシリーズの続きも頑張りますね。
読みやすいと言っていただき、とてもうれしいです。

>チラさん
ただいまです。
なんとか戻ってきました。

>ファンさん
こちらこそありがとうございます。
逆転の続きも頑張ります!

>bishopさん
待っていただいてありがとうございました。うれしいです。

  • 2013/04/23(火) 19:37:06 |
  • URL |
  • ひよとーふ #-
  • [編集]

待ってましたー!

また更新楽しみにしてます!

  • 2013/04/23(火) 22:36:28 |
  • URL |
  • FOSS #-
  • [編集]

更新楽しみにしています!
とはいえ、ご無理なさらずー

  • 2013/04/24(水) 04:20:05 |
  • URL |
  • #99DFA69w
  • [編集]

おかえりです

TSF関係HPの更新が滞っている中、復活していただき有難う御座います。
週2でHPに通ってたので嬉しい限りでし。
あまり無理を為さらずに定期更新頑張ってください、書かれる小説楽しみにしています。

  • 2013/04/24(水) 11:48:50 |
  • URL |
  • Lance #-
  • [編集]

お帰り~、めっちゃ待ってました!

  • 2013/04/24(水) 23:44:43 |
  • URL |
  • なのは #-
  • [編集]

復活ありがとうございます。
感慨深くて涙です。

  • 2013/04/25(木) 20:16:23 |
  • URL |
  • hmk #-
  • [編集]

>FOSSさん
ありがとうございます!
更新頑張ります!

>無記名さん
はい、無理せずマイペース更新で頑張ります!

>Lanceさん
週2で来て頂いたのに、長い間更新しなくてすみませんでした。
まだまだゆっくり更新になりそうですが、月1更新を目指して頑張ります。

>なのはさん
ただいまです。
今度はお待たせしないようにしますね。

>hmkさん
こちらこそ、こんなに感謝いただいて
感慨深いです。

  • 2013/04/25(木) 20:54:52 |
  • URL |
  • ひよとーふ #-
  • [編集]

いやはや、久しぶりに見れて面白かった。
終盤に、その後、特に10年後を書いたのは良かった。
自分にもそういうことないかなぁ、なんて思ってしまいました(笑)

  • 2013/05/01(水) 23:43:02 |
  • URL |
  • 大人買い #-
  • [編集]

お帰りなさいませ!!

ハンカチ落とし楽しかったです!!ぼく的には、カメラシリーズか天使と悪魔の手のサイドストーリーがお願いしたいです!

  • 2013/05/01(水) 23:53:44 |
  • URL |
  • しずく #-
  • [編集]

>大人買いさん
10年間の間、主人公がどんな生活をしていたのか
想像が膨らみますね。
私も公園でハンカチ落としをしようとしている少年を探したいです(笑)

>しずくさん
ただいまです。読んでいただいてありがとうございます。
サイドストーリーも面白そうですね。
考えて見ますね。

  • 2013/05/06(月) 19:46:57 |
  • URL |
  • ひよとーふ #-
  • [編集]

おかえりなさい!
そしてお久しぶりです!

ひよとーふさんの作品は一味違っていて面白いです
これからもがんばってください!

  • 2013/05/14(火) 00:03:40 |
  • URL |
  • かじゃ #-
  • [編集]

久しぶりの更新ですね。

いつもちらちら更新をうかがっていましたが、
新しい話も面白かったです。

またの更新待ってます!

  • 2013/05/22(水) 00:35:25 |
  • URL |
  • つぼっち #-
  • [編集]

>かじゃさん
ただいま帰りました!
いろいろと心配していただいて申し訳ないです。

これからも面白いと言われる作品を書いていけるように頑張りますね。


>つぼっちさん
お待たせしてすみません。
本日更新しましたので、ぜひ読んでみて下さいね。

  • 2013/06/09(日) 22:48:28 |
  • URL |
  • ひよとーふ #-
  • [編集]

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  • 2014/06/30(月) 20:55:44 |
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