ひよこらぼ

自作のTSF小説(変身・憑依・入れ替わり等によって性転換する小説)を掲載していく予定です。

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カメラ 第3話(前編)

これまでの話はこちらになります。
1 2


「暇だなー」
「あー」

 写真部の部室。俺と友人の一彦は暇を持て余していた。特にやることもない。グラウンドでは運動部の掛け声が聞こえてくる。静かだ。平和だ――
 
ガラガラガラっ!!
 
 そんな静寂を破る、大きな音。誰かが勢い良く部室のドアを開けたようだ。
「失礼します!!」
 大きな声を出して部室に入ってくる女の子。胸に着けているリボンタイの色から1年生のようだ。ちょっと小柄でまだ発展途上な体をしたその娘の顔は――
「えっ!?」
「あっ!」
 俺と一彦は同時に声を出した。部室に入ってきた女の子は森祥子ちゃん。俺たちは彼女とはほとんど面識が無い。しかし彼女は写真部に所属している。それは何故か。
「ここ、写真部ですよね!?」
 ものすごい剣幕で俺に迫ってくる。
「ああ、そうだけど……」
「私と、真由がどうしてこの部に所属してることになっているんですか!!」




 俺たちは部室で不思議なカメラを手に入れた。それはカメラで撮影した人物に変身することができるというものだ。俺と一彦は、このカメラで、今ここにいる祥子ちゃん、それと真由ちゃんという女の子に変身し、本人に成りすまして写真部に入部することで、廃部の危機から救ったのだ。しかしこんなにも早く本人に気づかれてしまうとは。
「さあ、説明してくださいよ!」
「祥子ちゃん~、上級生に怒鳴ったら失礼だよ~」
 祥子ちゃんの後ろから現れたのは中尾真由ちゃん。1年生とは思えないスタイルの良い体型をしている。偶然にも彼女らは友達だったようだ。
「真由は黙っていて! 私はそこの人たちに真相を確かめたいだけなんだから!」
「うう~、はーい…」
 彼女達について姿は知っているが、性格まではよく知らなかった。強気な祥子ちゃんとおっとりとした真由ちゃんというところか。
「えーと、俺が写真部部長の中村智成だ」
 とりあえずシラを切り通すか。どうせカメラのことは解る訳ないし。
「君たちは森さんと中尾さんだよね」
「ええ、そうですけど」
「はーい、そうです」
 二人が同時に返事をする。
「一応、君たちは正式な手続きで写真部に入部している。説明しろと言われても困るんだけど」
「う……、で、でもそれは身に覚えが無くて、……そうだ、先輩が入部届を偽装して、勝手に入部させたんじゃ無いんですか」
 なかなか鋭い所をついて来る娘だ。
「それなら、担任の先生に聞いてみれば良いんじゃない?俺たちはそんなことをしてないよ」
「う……」
 押し黙る祥子ちゃん。とりあえずあのカメラのヒミツを知られない限りは、ばれることは無いだろう。
「祥子ちゃん、せっかく来たんだし、部活動を見学させてもらいましょうよ」
「はあ?」
 真由ちゃんが突然そのような提案をする。カメラのことを知られたくないし、できればこのまま帰って欲しい。しかし。
「それじゃあ、真由ちゃん。デジカメ使ってみる?」
「はーい、先輩。お願いします」
 一彦がその提案を勝手に受けてしまった。
「お、おい、一彦」
「ちょっと、真由」
 俺たちの声を無視して、部活見学を始めた。
「えーと……、森さんも見学していく?」
「そうするしかないですね……」
 

「……で、行事の時とか、他の部活動で依頼があったときに写真を撮るんだ」
「そうなんですね。うちから写真を撮りにいくことはあるんですか?」
「いや、学校から許可が下りないんだ。まだ実績が無いからね」
「まずは地道な活動をしなくちゃいけないんですね」
 なんだかんだ言って、祥子ちゃんは写真部に興味が無いわけではないみたいだ。一方、一彦と真由ちゃんは、
「ほら、軽く一回押してピントを合わせた後、そのまま強く押して撮影するんだ」
「へー、一回押しただけじゃダメなんですね~」
 カメラの撮影方法についてレクチャーしていた。いや、あれは撮影方法というよりもカメラの基本的な使い方だ。しかし一彦は得意顔で教えている。まあ真由ちゃんは一彦に任せておくか。
「ねえ森さん。今は手違いだったかもしれないけど、改めて写真部に入部してくれないかな。今部員が抜けると廃部になって困るんだ。見ての通りあまり厳しい部活じゃないからたまに来てもらうだけでも良いんだけど」
「うーん、そうですね。別に他の部活に入っているわけではないですし……」
――パシャ!
 突然焚かれたカメラのフラッシュに一瞬目がくらむ。おい、まさかこれって。

「うわー、ホントに姿が変わっちゃうんですね~」
「すごいだろ、このカメラ!」
 フラッシュの焚かれたほうを見ると、カメラを持った真由ちゃんと一彦がいた。
「お、おい一彦……」
 俺の口から出た声は女性のものになっていた。しかもこの声は聞いたことがある。
「わ、わ…、私がいる!? 何で、どうして!?」
 驚愕の表情で俺を眺める祥子ちゃん。その言葉から俺は祥子ちゃんに変身したと確信した。
「ちょ、落ち着けって」
「ち、近づかないで、いやっ!」
 叫ばれたりしたら困る。しかしこの姿で何をしても逆効果だ。
「はい、祥子ちゃんも、チーズ!」
――パシャ
 真由ちゃんが祥子ちゃんにもフラッシュを焚く。焚かれた後の祥子ちゃんの姿は、俺になっていた。
「えっ、何で私男の子の制服なんか着て、えっ? えっ?」
 頭の理解が追いつかなかったのだろう。祥子ちゃんはその場に力なく座り込み、意識を失った。
 


「そのカメラで変身できるってわけね……」
 意識を取り戻した祥子ちゃんにカメラの秘密を話した。ここまでやった以上、もう隠し通すことはできない。
「それで、私たちに変身して入部届けを提出したということですね」
「ああ……」
「信じられない……。入部は取り消させてもらいますからね! 帰ろ、真由」
「えー、私は入部したいな。何だか楽しそうだし」
 真由ちゃんはカメラを持ってニコニコしていた。
「私は絶対に嫌だからね! 先に帰らせてもらうわ」
「でも、祥子ちゃん。その格好で帰るの?」
「あっ……」
 祥子ちゃんは、まだ俺の姿のままだった。そして俺も祥子ちゃんの姿のままだ。
「ちょっと先輩、元に戻してくださいよ!」
 祥子ちゃんが俺に詰め寄る。小さな女の子、祥子ちゃんになっている俺が、男に迫られると俺の姿とはいえ、迫力を感じて怖い。
「わ、わかったから、そんなに近づかないで」
 俺は、真由ちゃんの方に視線を向けた。
「中尾さん、そのカメラについている解除ボタンを押してくれないかな」
「解除ボタン?」
「カメラのシャッターボタンの横についているボタンだよ。それを押すことでこれまでの変身状態を全て解除することができるんだ」
「えーと、これかな……って、あっ!?」
 真由ちゃんの手から滑り落ちるカメラ。そしてそのまま床にぶつかった。鈍い音を立てて床を転がった。
「うわっ!?」
 俺は慌ててカメラを拾い上げる。
「動かない……」
 解除ボタンを押してもまったく無反応だ。落とした時に壊れてしまったのか?
「そ、そんな……。私、一生男の人のままなの? そんなの嫌~!!」
「俺も、ずっと女のままなのか……」
「ちょっと、責任とってよ! 私、私を返して!!」
「責任って言われても……。俺だって返して欲しいよ、自分の体!」
 どうしよう。どうすれば――

「壊れたんなら、直してもらえば良いんじゃないの?電気屋とかに」
 不意に一彦がつぶやく。
「そうか!! よしっ、出かけよう」
 確かに壊れたのなら修理してもらえばいい。この近くに俺の行きつけのカメラ専門店がある。そこで見てもらえば直してくれるかもしれない。

「ふうっ……、ふう……、ま、待ってくれ…」
 カメラ専門店は坂を登った先にある。いつもは何でもない登り坂なのだが、今日は何だか体が重い。息は切れるし、足もなかなか前に出ない。体調でも悪いのか。
「ふう……」
 膝に手をあてて、一息つく。目に映るのはむき出しになった細い足。ああそうだ、今の俺は祥子ちゃんになっているんだ。
「先輩!遅いですよ、何やってるんですか!」
 俺の姿の祥子ちゃんが近づいてきて、俺の手を引っ張る。祥子ちゃんに引っ張られると、楽に登れる。
「男の人ってこんなにも力があるんですね……うらやましいな……」
 祥子ちゃんが小さな声で何かつぶやく
「えっ? 何か言った?」
「な、何でもないです!!」

 見晴らしのいい坂の上。町が一望でき、天気のいい日には、その先の海まで見ることが出来る。カメラ屋の店主はこの気色を気に入ったために、わざわざこんな不便な場所に店を構えたのだ。
「おーい、智成。ここがお前の言ってたカメラ屋か?」
 一彦が口を開く。
「ああ、そうだ。このカメラ屋の店主とは知り合いなんだ。ちょっと行って来る」
 俺は店に飛び込んだ。
「オヤジ! ちょっとカメラを修理してくれないか!!」
 俺は店に入るなり、店主に詰め寄った。
「いらっしゃい。元気なお嬢ちゃんだね」
 お嬢ちゃん?――しまった。また、体が変わっていることを忘れていた。俺の後から3人が店に入ってくる。
「おお、いらっしゃい智坊。このお嬢ちゃんは、智坊の知り合いかい?」
 祥子ちゃんの方を向いて店主が話しかける。
「へ!? あ、はい。そうです……」
「何だ、今日はえらく大人しいじゃないか。可愛い女の子連れてるからって、猫かぶってるんじゃないぞ」
 けらけらと笑う店主。
 そう、この店主は、俺にカメラを撮る楽しさを教えてくれた先生と言うべき人だ。小さなころから知っているので、高校になっても智坊と子供扱いする。
「あ、あの、カメラを直して欲しいんですが。落としてしまって動かないんです」
 俺は、カメラを差し出す。
「んー、変わったカメラだね。ちょっと見せてもらうよ」
 店主がじっとカメラを見つめる。そして、器用にネジを外して、中を調べる。
「ああ、これなら直るよ。落としたときに電気系統の接触が悪くなって、電源が入らないだけみたいだ。だから接触部を交換すれば大丈夫」
「本当か!?」
 やった。元に戻ることが出来る。うれしくなって俺は店主に詰め寄る。
「ああ。……いやー、君みたいな若い女の子に詰め寄られると、おじさん照れちゃうなー」
 いつもの俺に対する態度と違いすぎるので、何だか気持ち悪い。
「じゃあ、明日までに直しておくんで、明日、また来ておくれ」
「……あ、明日? 今日までには直せないのか?」
「さすがに、こんな見たこともないカメラじゃすぐには直せないよ。どんなに早くても明日の夕方じゃないと無理だね」
「そう……、ですか」

 俺たち4人は店を後にすると、それぞれ向かい合っていた。
「とりあえず、明日までどうするか……だな」
 俺は祥子ちゃんの方を見ながら話し始めた。
「入れ替わったなんて、信じてくれないわよね……」
「明日までお互いのフリをして過ごすしかないか……」
「じゃあ、今日は……」
「お互いの家に行くしかないよな」
「うう……、どうしてこんなことに…」
「ごめんなさい! 私が落としちゃったせいで」
 申し訳なさそうに、真由ちゃんが口を開く。
「中尾さん……」
「真由……。いいのよ、そんなの気にしなくて。元に戻れることがわかったんだし」
「そうだよ。明日1日だけだし」
 とりあえず明日1日はお互いのフリをして、放課後にまた写真部の部室に集まるという事に決定した。
「それじゃあ、今日はもう遅いから、一彦は真由ちゃんを送っていってくれ。俺は祥子ちゃんを送っていく」
「わかった。……今の智成だと、祥子ちゃんに送ってもらうって言ったほうが正しいんじゃないか?」
「う……、そう…だな」
「それじゃ、先輩。私のうちまで案内しますからね」
「ああ、頼む」

「……で、俺のうちはここの通りを真っ直ぐ行って、突き当たりを左に曲がって3つ目の家だ」
「わかりました。そこなら大体わかります。それで、家では何か気をつけることはありますか?」
「うちは両親ともに海外に出張してて帰ってこないから」
「え!? じゃあ一人暮らし? ごはんとかはどうしてるんですか?」
「妹が一人いるから。飯は、今日は妹が当番の日だから心配しなくていいよ」
「妹さんか…。私は一人っ子だからうらやましいです」
「そんなことないよ、最近妙に生意気だし。……それより森さんの家では気をつけることは?」
「パパは遅くまで仕事で、朝早くから出かけてるから、あまり会わないので大丈夫と思います。ママもおっとりしてるから大丈夫だと思います」
 俺たちは必要な情報を交換しつつ、祥子ちゃんの家に向かった。

「ここです。先輩」
 祥子ちゃんの家は、大きくも小さくもない普通の洋風の家。建ててからほとんど年月が経っていないのだろう。壁が汚れていない。
「ありがとう、森さんの方も気をつけて帰ってね」
「はい、それより先輩」
「何?」
「絶対に、私の体に変なことをしないで下さい!」
「……ああ、わかった。そっちこそ、俺の体で変なことをするなよ」
「な、な……!? そ、そんなことするわけ無いじゃないですか!?」
「じょ、冗談だよ。そんなに怒ることないだろ」
「変な冗談言わないでください! ふう……、まったく…。それでは失礼しますね」
「うん、また明日」


「た、ただいま……」
 恐る恐る、玄関のドアを開ける。中からはおいしそうな匂いがただよってきた。
「あら、お帰りなさい、祥子。もうすぐ夕飯できるから着替えてらっしゃい」
 奥から出てきたのは、品のよさそうな女性。笑顔で俺を出迎えてくれる。この人が祥子ちゃんの母親なのだろう。
「う、うん……」
「どうしたの? 何か元気ないわね」
「な、何でもないよ、……マ、ママ」
 母親をママと呼ぶなんて何だか恥ずかしい。俺は小走りに祥子ちゃんの部屋に向かった。
 祥子ちゃんの部屋は意外に――と行っては失礼かもしれないが、女の子っぽい部屋だった。ピンクを基調とした壁に、勉強机とベッド、そしてクローゼットがある。
「あー、疲れたー」
 俺はベッドに大股開きで倒れこんだ。スカートが捲れあがって下着が見えているだろうが気にしない。
 今日はそのスカートのおかげで、気が気じゃなかった。何も穿いていない気がして落ち着かないし、また少しでも気を抜くと捲れそうで。こんなに長い時間、女性になっていたことがないので、辛かったが、ようやく開放された気分だ。
「さて、着替えないと」
 祥子ちゃんが言うには、いつも学校から帰ると、制服から部屋着に着替えるそうだ。俺はクローゼットからふんわりとした長い丈のチュニックとレギンスを取り出した。
 俺はブレザーのジャケットのボタンを外した。ジャケットを脱いでハンガーに吊るす。ジャケットの下に着ていた同系色のベストも同じように脱いでハンガーに吊るした。首に巻かれていたリボンも着脱式で簡単に脱ぐことが出来た。
「うーん……」
 白いブラウスと、紺のプリーツを着た自分の姿。ここまでは良い。夏になれば女子はこんな感じで制服を着てくる。しかし、この先は――
「脱ぐしかないよな」
 以前にも祥子ちゃんの下着姿は見ている。しかし、あれは俺や一彦が変身したもので、いわば本物の女性を脱がしているという実感はなかった。しかし今は違う。俺が変身したことは変わらないが、俺は祥子ちゃんという人物を知ってしまった。怒りっぽいが真面目な彼女。体力が無い彼女。そして友達思いの彼女。今鏡に映っているのは見知らぬ1年の女子高生ではなく、森祥子ちゃんなのだ。そう思うと、脱ぐのをためらってしまう。
「で、でも、仕方ないよな。いつまでも制服のままではいられないし」
 俺はそう言って自分を納得させ、ブラウスのボタンに手をかけた。1つ、2つとボタンを外していくごとにあらわになる胸に巻かれた布地。俺はそれを見ないようにしてブラウスを脱ぎ捨てた。そしてスカートの留め具を外す。パサっと音がして床にスカートが落ちると、俺は下着姿になっていた。
 クローゼットについている鏡に映る祥子ちゃん。ブラジャーとショーツ姿を惜しげもなく俺に披露している。鏡の中の祥子ちゃんは下着姿を隠そうともせずにじっと俺の方を見つめてくる。
「綺麗だ……ってだめだ!」
 変なことをしないと祥子ちゃんに約束したんだ。俺はなるべく下着姿を見ないように部屋着に着替えた。
 
 
「避けて通れないよな……」
 夕食が終わって、俺はトイレの前に立っていた。股に何か詰まってすぐにでも出したい感覚。そう――尿意だ。
 男の体とは似ているようで少し違う。少しでも気を抜いたらすぐにでも漏れてしまいそうだ。女の体は尿道が近いからなのか。
 そういえば女の体でおしっこをするのは初めてだ。考えてみればカメラでこんなに長い時間変身していたことはない。しかし、何だか祥子ちゃんの秘密を知ってしまうみたいで、妙な罪悪感からおしっこをする決断が出来なかった。
「うう……、もう我慢できない!」
 結局は体の生理現象に負け、俺はトイレへ飛び込んだ。
「えっと、便座に座って……どうすればいいんだ?」
 出し方がよくわからない。とりあえず体の力を抜いて何も考えずに座ってみた。すると
「あっ……」
 ちょろちょろとおしっこが出てくる。男のときとは違い尿道から飛び出てくるのではなく、尿道から滴り落ちてくるような感覚だ。
「ふうっ」
 おしっこを出した後の開放感は、男のときと同じだ。しかし、男の時のようにおしっこが完全に振り切れない。
「やっぱり、拭かなきゃいけないんだよな」
 小のときでも拭かなければならない。そんな小さなことでも、自分の体が女になっているということを思い知らされる。
「んっ……、どれだけ拭けばいいんだろう…」
 拭きが足りないと不衛生だ。でも丹念に拭いていると何だが変な気分になってくる。そんな気分を払拭し、俺は適当に切り上げてトイレを後にした。


「避けて通れないよな……」
 さっきも言った気がする言葉を俺はもう一度つぶやいた。手にはピンク色のパジャマとバスタオル。目の前に見えるのはすりガラスでできた引き戸。そしてその引き戸の先にある部屋は湯気が充満している。そう、俺は浴室の前に立っていた。
「お風呂……入らなきゃな…」
 ここまできたら、もう迷わない。俺は祥子ちゃんなのだ。いつも通りお風呂に入るだけ。決してやましい気持ちではない。
 部屋着を脱ぎ、下着姿になる。そしてブラのホックを外す。
「ふうっ……」
 ブラを外すと締め付けが無くなり、胸のあたりが楽になる。それと同時に祥子ちゃんの胸が露になる。それを見ないようにショーツも脱ぎ、俺は浴室へ向かった。
 
「ふうっ……」
 俺は浴槽に浸かって天井を見上げていた。下を見れば裸を見てしまうため、意識して視線を上にしている。
 祥子ちゃんの家の浴槽はそんなに大きいとは感じなかったが、今の自分の体は足を曲げずに浴槽に浸かることができる。
「やっぱり女の子の体って、小さいんだな……」
 そんなことを考えながらずっと上を向いていたら首が痛くなってしまった。
「ずっと見ないようにするなんて無理だよな。ごめん、祥子ちゃん」
 見ないようにしているから変に意識をしてしまうのかもしれない。俺は意を決して、下を向いた。お湯でゆらゆら揺れている祥子ちゃんの裸。白い肌はほんのりと赤みがかっている。
 これは自分の体なんだ。そう思うことで、先ほどまでのどきどきした気持ちは治まってきた気がする。
「よしっ、体を洗おう」
 落ち着いてきた俺は、いつも祥子ちゃんが使っているであろうボディソープを手にとった。スポンジに染込ませ、泡立てる。
「やわらかい……、ぷにぷにしている。……んぅっ」
 肌が敏感なのだろうか、スポンジで洗っているとくすぐったい。そして何だか気持ちがいい。そしてスポンジが敏感なところ、胸の先端に触れたときに思わず声が出てしまった。
「ここも綺麗にしないとな」
 何も無い股間。さすがにここを洗わないのは不衛生だ。えっちな気持ちじゃなく、清潔にするため。仕方の無いことだ。
「……ひぅっ!?」
 スポンジがアソコに触れた途端、体がビクッと反応する。
「…んぅ……あっ…」
 声が浴室内に響く。俺は今にもえっちをしてしまいそうな気分を必死に抑え、体を洗い続けた。
 その後も悪戦苦闘しつつ、何とかお風呂タイムは終了した。


 浴室から上がった俺は、持って来たピンクのパジャマに着替えて、ドライヤーで髪を乾かす。祥子ちゃんがショートカットで良かった。男と比べたらずいぶん長いが、ロングヘアーだったら髪の手入れが大変だっただろう。
 部屋に戻ると、携帯にメールが入っていた。一人目は真由ちゃんからだ。

Sub:中村センパイへ
本文:今日は本当にごめんなさい……。
   明日までセンパイが祥子ちゃんとして振舞えるように
わたしも全力でサポートします!

 そうだ、明日の夕方まで祥子ちゃんとして過ごさなきゃいけない。明日を無事乗り切れるか心配だが、女子高生として授業を受けるのも楽しいかもしれない。俺は真由ちゃんに明日はよろしくと、返事をした。
「さて、もう一人は……祥子ちゃんか」

Sub:無題
本文:先輩へ。
   そっちはうまくやれていますか?
   お風呂は…もう入りましたよね。なるべく見ないで下さい
   こちらも先輩のを見ないようにします。

 こっちにも返信をする。

Sub:Re:
本文:こっちは何とかやってるよ。
   お風呂では極力見ないようにしたつもり。
   そっちも俺のをあまり見ないようにしてくれ。恥ずかしいから…。
それより、明日の夕方までうまく俺を演じて欲しい。
   わからないことがあれば一彦に聞いてくれ。
   俺も中尾さんに助けてもらうから。

 メールを送ると、すぐに返事が来た。

Sub:Re:Re:
本文:わかりました。こっちも先輩のは見ないようにしていますから!
   それと明日は頑張りますね。
   先輩も私をうまく演じてくださいね。
   明日まで、先輩が森祥子なんですから。
   それじゃあ、おやすみなさい。

 いつの間にか夜も遅い時間になっていたみたいだ。祥子ちゃんが何時寝ているかわからないが、もう寝たほうが良さそうだ。俺は部屋の電気を消してベットにもぐりこんだ。

 ――寝れない。
 祥子ちゃんの部屋で、祥子ちゃんのベッドで寝ている。ベットから香ってくる祥子ちゃんの匂いにクラクラする。女の子の体が目の前にある。目を閉じるとトイレやお風呂での出来事が頭の中にフラッシュバックする。
「はぁ……」
 艶かしい溜息。体が何だか火照ってくる。

――明日まで、先輩が森祥子なんですから
 祥子ちゃんからのメールを思い出す。
 今自分が動かしている身体。カメラで変身しているが、外見は祥子ちゃんそのものだ。そして祥子ちゃん本人は俺の身体になっている。ということは森祥子という人物は世界中で俺しかいない。
「俺は祥子ちゃんなんだ。……いや、わたしは祥子」
 わたしのカラダなんだから、好きに触ってもいいんだ。
 今まで自制してきた思いがここにきてガラガラと崩れ落ちる。

 自分の胸をパジャマの上から揉む。
「んっ……、んぅっ……」
 柔らかな乳房が、自分の小さな手で形を変える。
「んっ……、気持ちいい……」
 パジャマのボタンを外し、直接胸に手を当てる。
「んぁ……、ひゃん……」
 胸の先端を指で撫で回す。くすぐったい刺激から徐々にむず痒い刺激へと変化する。そしてだんだんと敏感になってくる
「ん……、乳首立ってきた……ひゃああ!?」
 乳首を指で摘む。それだけで体がビクンと反応する。
「あん……濡れて……きた?」
 下腹部がじんわりと熱を帯びてくる。パジャマのズボンに手を入れショーツの上から股間を擦った。
「んん……、ああん……」
 じんわりとショーツが湿ってくる。ズボンとショーツを脱ぎ、両膝を立て、右手をアソコに這わせる。
「んんっ……、ああん…」
 アソコに指を挿入させる。アソコの中は愛液で十分に濡れていて、簡単に指をくわえ込む。
「あん……、熱いよぅ……」
 クチュクチュと指を中でかき回す
「あっ……、はぅっ……、はぁん……」
 指が動くたびに、我慢できなくて声が漏れる。
「はぁ……、だ、だめぇ……」
 体が自分の意思ではないようにビクンビクンと動く。それでもアソコに手を入れている右手を止めることができない。愛液がとろとろと垂れてきてベッドのシーツに染み込む。さらに快感を得ようと左手が胸を刺激する。
「はぁっ……、はぁっ…、いやっ…、イ、イクッ…、あ、ふああああああああ……」
 大きく体が仰け反り、俺は絶頂の波に呑まれていった。


――絶対に、私の体に変なことをしないで下さい!
 絶頂の余韻に浸りながら、俺は祥子ちゃんに言われたことを思い出していた。
「明日、どんな顔をして祥子ちゃんに会えばいいんだろう」
 そんな罪悪感に苛まれながら、俺は眠りについた。

つづく



長くなりましたので前後編に分けます。

1話で姿だけ出てきた、1年生の女子を登場させてみました。
今まで変身して好き勝手体を使っていた主人公が、
変身した本人のことを知ってしまったことで、
体を触ることへの戸惑いを書いてみました。

後編は、祥子の姿での授業体験話になります。

それでは。
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コメント

思わぬ事故ですね~
でもそのおかげで学校でできないあんなことやこんなことを(笑
いやあ、ついつい一気に読んでしまいました。

  • 2010/08/23(月) 22:37:10 |
  • URL |
  • toshi9 #YK3S2YpI
  • [編集]

定番の展開ですが、良いですね。カメラの秘密をあっさりとばらしてしまったあたりが少し強引だったかな。

  • 2010/08/24(火) 09:44:56 |
  • URL |
  • #-
  • [編集]

>toshi9さん
思わぬ事故になりましたが
主人公にはうらやましい展開に(笑)
後編もぜひ読んで下さい!

>無記名さん
自分の書く小説は展開が強引なことがよくありますので、
その辺をうまく改善できたらと思います。
読んでいただき、ありがとうございます。

  • 2010/08/25(水) 23:19:59 |
  • URL |
  • ひよとーふ #-
  • [編集]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2010/08/26(木) 09:50:38 |
  • |
  • #
  • [編集]

TSアイテムの秘密を被害者(?)に、何の拘束もなくばらしてしまうなんて、珍しいパターンですね。
これからのこの4人組の活躍(?)楽しみです。

  • 2010/08/29(日) 10:53:23 |
  • URL |
  • よしおか #EBUSheBA
  • [編集]

>非公開コメントさん
この話ではキャラの設定にこだわってみました。
たしかにばれなければ問題無いというのは
あのノートの展開に似ていますね(笑)

>よしおかさん
カメラの秘密をばらしてしまったのは
ちょっと唐突な展開だったかもと反省しています。
今後はこの4人で話を展開していきたいと思っています!

  • 2010/08/30(月) 22:40:28 |
  • URL |
  • ひよとーふ #-
  • [編集]

面白かったです。特に主人公の反応と祥子ちゃんの反応が良かったです。この二人がお互いに成りすますんだなと思うと、後編が待ち遠しいです。

  • 2010/09/03(金) 12:30:48 |
  • URL |
  • K27 #sSHoJftA
  • [編集]

>K27さん
コメントありがとうございます!
後編では互いの体に翻弄される2人の
活躍(?)を楽しみにしてくださいね。

  • 2010/09/05(日) 21:59:54 |
  • URL |
  • ひよとーふ #-
  • [編集]

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