ひよこらぼ

自作のTSF小説(変身・憑依・入れ替わり等によって性転換する小説)を掲載していく予定です。

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伝承法

私は真田信一郎。
若いころにものづくりの会社を立ち上げ、今では真田グループとして世界の製造業の頂点に君臨してきた。
気立ての良い女性と結婚し、息子をもうけ、今では孫までいる。
会社の社長を息子に譲ってからは、会長として会社のトップに君臨してきた。
しかしそんな私も年には勝てず、最近では病で入退院を繰り返し、業務に携わることができないでいた。



私はあらためて、ワンマン社長だったのだなと痛感した。
私が不在の間、世界的な不況が起こり、会社運営の経験の浅い息子だけでは対応することができなかった。
また会社の社長が世襲だったことに不満を持つ者がここぞとばかりに反旗を翻してきた。
内部にも敵がいる惨状に、会社がうまくいくはずもなく、会社の業績は悪くなる一方だった。

「一刻も早く復帰せねばな」
私は必死にリハビリをしていた。
早く健康な体を取り戻し、仕事に戻らなければ。
しかし思うように動かないこの体が恨めしい。
この病を治すため、様々な病院をあたり、また多少胡散臭いオカルト的な治療法も試してみた。
しかし、一向に病は治らず悪くなっていく一方だ。


「それならあなたの能力をどなたかに差し上げればいいのですよ」
「なんだと?」
私は病の治療で偶然知り合った、胡散臭い女の占い師の言葉に興味を惹かれた。
「伝承法と私は呼んでおります」
「伝承法?」
「ええ、古くは海外の皇帝が使用していた秘術で、皇帝がお亡くなりになるごとに、能力を次の皇帝に代々伝承させていくことで、長きに渡り繁栄したと言われております」
「そんな秘術をなぜあなたが知っている?」
「その皇帝に伝承法を教えたのが私の先祖だと言われております」
作り話にしてはなかなか面白い。
これまで試してきた治療法は、当たり前だが私の病を治すため、私が生きるために行っている。
病院での治療法もそうだし、オカルト的な治療法にしてもそうだ。
しかし、この話は私が死ぬことが前提だ。
おおよそ治療法とも思えない方法に私は逆に興味を持ってしまったのだ。


そしてその夜、会社が海外の企業に買収されるかもしれないという情報が飛び込んできた。
何ということだ。私の会社を買収させるわけにはいかない。

しかしそのとき私の体調が急変した。
薄れ行く意識。
これはもう長くないな…。
試してみるか、伝承法とやらを……。

そして私の体が光に包まれた気がした。



気がつくと私は会社の社長室、息子のいる部屋にいた。
生き返ったのか?

横を見ると社長室の椅子に座った息子が頭を抱えていた。
おそらく仕事のことで悩んでいるのだろう。
なぜ私がここにいるのかはわからないが、ちょうど良い。
買収の件を息子にも話さないと。

そう思った瞬間社長室の電話がなった。
私の体が自然と受話器に向かう。

「はい、社長室です」
ほぼ無意識にそのような言葉がでる。
いやそんなことより声が私のものとは違う。甲高いような……。
そして、電話の内容はさらに驚くべきことだった。

しかし私の意志とは関係なく私の体は驚くことをしてくれない。
それどころか……。

「社長、つい先ほど、会長…お父様がお亡くなりになりました」
「何だって!?」
「取り急ぎ、通夜が行われます。場所は…、日時は…」

私はきわめて事務的に用件を息子に伝える。

「よし、わかった。智佳子君、私は父のお通夜に出かけるから、後のことは任せる。何かあったら連絡してくれ」
そう言って息子は社長室から出て行った。


先ほどの息子の言葉。
私のことを智佳子と呼んでいた。

智佳子とはうちの会社の社員で、若くして有能だったため、
社長室付けで秘書をやらせていた人物だ。

私は自分の姿を社長室の鏡で確認する。
上下紺色のスーツに身を包み、レースの入ったブラウスを着た智佳子の姿。
私の意志で、その姿を動かすことができる。

「間違いない、私は智佳子になっている」

こうなった原因はおそらく伝承法だろう。
まさか能力だけでなく記憶まで伝承されるとは……。
私には智佳子の記憶と真田信一郎の記憶がある。
行動や立ち振る舞いは智佳子、そして意識としては信一郎という状態だ。


なぜ息子ではなく智佳子に伝承されたんだろうか。
その疑問は智佳子の記憶を読むことで解消された。

実質、社長の業務を行っていたのは、智佳子だったのだ。
息子はただいるだけの存在だったらしい。
親としては情けないが、今は好都合だ。

この智佳子の体を使って、何とか会社の買収を阻止しよう。



まずは情報収集だ。
社内で誰かが買収の手引きをしているはず。

私は智佳子の記憶から、知り合いに社内の噂に詳しい女性社員がいることを突き止めた。
さっそくその女性に電話をかける。

「もしもし、千春?」
「あれ~智佳子じゃん、どうしたの?」
「実はね~……」
智佳子の話し方が私たちと話しているときと大きく違っていることに驚いた。
私は知らなかったが、智佳子は私たちと話すとき以外は結構くだけた話し方をしているみたいだ。

私は智佳子の立場を利用して、同じように数人の女性から情報収集を行い、
専務の豊松が怪しいことを突き止めた。

しかし、会長だった私がどんなに頑張っても知ることが出来なかった社内情報が、
智佳子の、女性の体なら簡単に手に入ることが出来るとは……。
これを利用しない手はないな。


翌日、私の体の葬儀の日。
一部の重役は休みをとって、私の葬儀に行っているみたいだが、
専務の豊松は普通に出勤していた。

もちろん、息子も葬儀に出ているので、社長室は誰もいない。
行動するなら今がチャンスだ。

私は智佳子の持っているスーツの中で、一番スカート丈の短いものを着ている。
そして白いブラウスの下には黒いブラジャーをしている。


俺は専務室へ向かった。
ドアをノックする。
「失礼します」
「おお、君は社長のところの。何か用かね?」
「今日は、会長の葬儀のため、社長はお休みということをお伝えに。専務は葬儀には出席されないのですか?」
「仕事が忙しくてね。会長のことは残念だったよ」
「わかりました。それでは失礼します」
私は、ブラウスからうっすら透けているブラウスが見えるようにお辞儀をした。
専務の目が私の胸元に行っているのがよくわかる。

「ちょっと待ちたまえ」
「はい」
「君はずいぶんと色っぽい格好をしているね…、社長の趣味かい?」
「いえ、そんなことはないです…」
照れるような仕草で答える。

「君みたいな女性が社長の秘書なんてもったいない、どうだい、私の秘書をやらないか?」
「私は社長室付け秘書なので…」
少し残念そうに答える。

「そうか、でも安心しなさい。これは内緒なんだが、もうすぐ私が社長になるかもしれないから」
「えっ!?どういうことですか?」

かかった…。このために私はわざと男を誘うような格好をしていたのだ。
豊松は買収のことを事細かく、自慢げに話してくれた。

「……ということだから、君が私の秘書になることを楽しみにしてるよ」
そういって、豊松は私のお尻を撫でる。
「ひっ! も、もう…」
「はっはっはっ、それじゃあ私は仕事にもどるからな」
「失礼します」

これで必要な情報は全てそろった。
しかし、好きでもないオヤジに体を触られるのがこんなにも不快だとは…。

買収の方法がわかれば、阻止するのは簡単だった。
私は息子を使い、買収の阻止と、豊松の処分を行った。

会社も段々と売り上げが上向いてきて、私も社長秘書として、会社に大きく貢献している。




「飲みすぎた…」
私は若い男女と、合コンというものに出ていた。
同僚の女性に誘われたのだ。
ついつい飲みすぎてしまい、ふらふらになりながら家路についていた。
「このカラダ、お酒に弱いんだな…」

そのとき不意に携帯が鳴る。
ディスプレイには息子の番号。
「もしもし…」
「智佳子君か? 大変なことになった」

電話の内容としては
またも、買収の話が出ているらしい。

私はふらつく足で会社に戻ろうとした。
しかし、それが災いし、足がもつれて道端で転んでしまう。
運が悪いことに、そこに車が来て……。




気がつくと朝になっていた。
私はベッドから起き上がる。
「なんだこれは!?」
自分の体が、これまでの智佳子の体より小さくなっていた。
「私は…私は…奈々子?」

私は孫娘の奈々子になっていた。
今年小学5年生になったはずだ……。

「まさか……伝承法?」

予想どおり、智佳子は交通事故で亡くなっていた。

息子は有能な秘書を失ったことで会社の立場が危うくなるのは確実だ。
それに買収の話も…。
私が助けてやりたいが、このような小学生の体で何ができるというのだ。

…いやこんな体だからこそ警戒心を抱かせずにできることがあるかもしれない。

「ねえ、パパ、あのね……」




日本で知らないものはいないと言われるまで成長したものづくりのメーカーがあった。
何度も経営の危機に陥りながらも、その都度、乗り越えていった。
その影には、いつも若い女性の活躍があることはあまり知られていない。

おわり




9月初めての更新です。
しばらく更新が滞っていてすみません。
さて今回の話は、わかる人にはわかると思いますが、
ロマンシングサガ2が元ネタです。
ゲームも代々皇帝となる人物に、能力だけでなく記憶も受け継いでいるらしく、
もし女性皇帝に受け継いだならTSになるのじゃないかと妄想していました(笑)
その妄想を現代風にして書いてみました。

あと、宣伝になるのですが、
toshi9さんのサイトTS解体新書でわたしが書いた小説『お面』が公開されています。
よろしければ見てください。
それでは
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コメント

これは素晴らしい!
まさか息子の秘書になって危機を乗り越えるとは。
若く美しい秘書となると、息子と一度ぐらい艶めいた展開があったんじゃないかと妄想してしまいますね(^^)
しかもその次に乗り移った相手が……ううん、ギャップに興奮しますね。

  • 2009/09/13(日) 11:42:57 |
  • URL |
  • nekome #lWxbDKCI
  • [編集]

>nekomeさん
ありがとうございます。
おそらく秘書の体や孫の体になった主人公は、
いろいろと楽しんだだろうと思います(笑)

あえてその辺の展開は書かずに、
読み手の方の妄想で補ってもらうということで(…手抜き?)

  • 2009/09/13(日) 23:03:42 |
  • URL |
  • ひよとーふ #-
  • [編集]

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